2013/11/15

「オレこんなんだけど実は若い頃けっこう悪くてね」
そういうことを言う人の人生には全く憧れないしむしろ常にまず懐疑的な目を向けてしまうけど
実際にけっこう本当に荒れてたり悪さが激しかったのを全く語ろうとせず
それはつまりその頃の自分を恥じているから語らないのだけど
そういう人が今現在は落ち着いて人望があったりする場合もある。

そんな過去をこっそり僕だけが知っていた友人がいる。
地元の新聞をちょっと賑わすくらいの大騒ぎを起こしたりした彼は後にカメラマンのアシスタントをしたりして
僕はそんな彼から写真に関する色々なことを教えて貰った。

同年代なのに妙に落ち着きを持っていて、何ごとに対しても勢いだけの見解を持たず慎重かつ寛容。
それでも酒を飲んだらいいかんじにハメを外したりしたし、女に対してもまた寛容だった。
その当時一緒に遊んでいた数人の友人はそんな彼にどこか憧れのようなものを抱いていたと思う。
決して誇れない不良であった過去を持っているのにそれに触れない頼らない。只の恥としかしない。
自分にはそんな過去もなにもないのになんだかそういう”語らないカッコよさ”を持った人間になりたいという憧れを。

彼はそれからしばらくして行方不明になった。
どうしてなのかもわからないけど僕らの前から姿を消した。
それから随分経つ。

いまだにああいうタイプの人間になりたいなとふと思ったりすることがある。
まあおしゃべりな僕にはちょっと無理だろうけど。

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