2012/04/27

親父との旅  2


M6+Planar T*2/50 ZM    kodak P3200



ともかく上野駅まで移動して、また1時間ほど待った後ようやく新幹線に乗った。
当時山形新幹線だと思ってたのだけれど、いま地図を見返すとどうやら上越新幹線に乗っていたらしい。
というのも、その新幹線を降りてから在来線に乗り換えて
ずっとひたすら海を見ていた記憶があるからだ。
おそらく新潟がどこかで羽越本線に乗り換えたのだと思う。


正直そこまでの道のりはぼんやりとしか覚えてないのだけれど
その(おそらく新潟あたりで)乗り換えた列車から先は妙に鮮明に記憶しているのだ。


ただひたすら真っ暗な窓の外を見ていたら雪の中で突然列車はゆっくりと止まった。
なにもない田んぼの中だったと思う。
アナウンスで降雪だったか風が激しいためだったかで列車はしばらく停車しますとのこと。
いま考えるとなにもないところで停車するはずがないので
反対側の窓の向こうには駅のホームがあったのかもしれない。


とにかく列車は2時間以上止まっていた。
お腹が空いたのでオヤジの持っていたガムだとかのど飴なんかを舐めていたのを覚えてる。
ビールも確か買ってあったと思ったけどとても飲む気分ではなかった。そしていつしか寝てしまっていた。
起きたのはオヤジの「オイ」と言う声。なんのことはない、単に窓の外に海が見えたぞ、というだけ。
海見えるかな、なんて僕が言っていたからだろう。
窓の外には真っ暗な日本海がずっとずっと続いていた。列車は恐ろしくゆっくりゆっくり走っていたので
真っ暗な海も果てしなく続いた。あんなに長いこと海を眺めていたことはないだろうというくらい
ずっと窓の外を眺めていた。
暗い海で岩陰に座礁している少し大きな船を見た気がするけれど
たぶんあれは夢だ。





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