2012/04/28

親父との旅  3



EOS5+EF24-85mm F3.5-4.5 USM   RDP2
酒田駅に着いたのは深夜の1時くらいだったと思う。そんな時間なのに先方の琵琶関係者の老夫婦が駅で待っていてくれた。その方の家に着いて食事をいただき、親父は少し琵琶談義に花を咲かせていたが疲れ切った僕はビールを1杯もらったあと、オヤジよりも先にあっという間に寝てしまった。
 翌日は琵琶の演奏会やその後の懇親会などなど。懇親会は思ったよりも人数が多かったがほとんど知らない人ばかりだった。親父はやはり琵琶の話で盛り上がってるがただの付き人としてそこにいる僕は少々居心地が悪い。お酒を少々頂いて時折薄ら笑いで話を合わせたりしていたけど適当なところで部屋へ戻った。その日のことはこれくらいしか記憶にない。


 そしてその翌日、つまり岐阜へ帰る日。先の老夫婦からせっかくなので少し観光をしましょうと提案されて天気も良かったことなのでタクシーで色々見て回ることになった。とはいえ、さすがにそこは若い人向けの観光ではなく寺社仏閣を見て回ったりするようなものだったけれど。
 その観光でとりわけよく覚えているのは鳥海山は名だたる霊山のひとつで、全国のえらい僧侶たちが即身仏になるためにこの地まで来ていたということ。即身仏というのはつまりミイラのことだ。言い方を変えれば高僧として死ぬためにここへ来ていた、とでもいうか。
ちなみに岐阜の自宅の近くにある横蔵寺というお寺にも一体ミイラが安置されている。なのでミイラ自体に珍しさはなかったのだけれど、しかしその横蔵寺のミイラも実はここで即神仏になって生まれ故郷の岐阜に運ばれてきたのだということを聞いて驚いた。なんだかとかく即神仏の話は興味深くて熱心に聞いた。
現在、全国の即身仏の半分ちかくは山形にあるとのことだ。






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