M6TTL+Summicron 35mm F2/Fomapan200 |
全員が心臓をバクバクさせていたが、それを表に出してはならないかのように「ちょっと驚いたね」「そうだね」くらいの会話をかわしただけで― そう、運転者を責めるようなことを言ってはならないと思うのと同時に、しかしそれは自らを落ち着かせるのにもきっと必死だったんだと思う。僕にしたってあれだけ瞬間的にまわりの状況を見て指示を出していたにもかかわらず、その後いつまでも手が震えていた。横転していたっておかしくなかったのだ。路面が凍っていたからスピンをしたが、凍っていたから横転せずにも済んだともいえる。
その後しばらくして運転を交替した。アクセルは前よりも踏めなくなり、僕らはノロノロとカメのようなスピードでそれでも単調な道を北へ北へと進んでいった。
0 件のコメント:
コメントを投稿